【偏った情報に惑わされるな】正しい情報とリスクの見分け方

 

f:id:modern_man_jp:20210820135215p:plain

「ワクチン2回目を接種したのにコロナに罹った!」

「妊婦がコロナになって赤ちゃんが亡くなった!」

連日、センセーショナルなニュースが世の中を飛び交っています。

 

確かに痛ましいニュースです。お子さんを失ったお母さんの気持ちを考えるといたたまれない気持ちでいっぱいです。

 

しかし、こういった事象は日本で、もしくは世界でどれだけ起きているのでしょう?

 

起きた出来事がどれだけ衝撃的であったとしても、それが2人に1人起きることなのか、10000人に1人起きることなのか、それによってどう対応すべきか?どんなリスクがあるのか?はじめて判断できるはずです。

 

今日はそんな情報化社会で、私たちはメディアやネットの情報とどう向き合うべきかについて書いていきます。

 

関心フィルター

世の中のすべての情報を学習できる人はいません。では、私たちは普段どの情報をどんな基準で選んでいるのでしょうか?

 

私たちの頭の中には関心フィルターという、いわば防御壁のようなものがあります。このフィルターにより、必要な情報と必要でない情報を無意識のうち分けて雑音から守ってくれているのです。

 

しかし、この関心フィルターには弱点があり、厳重にフィルターをかけていても通過していまう情報があります。それは「本能を刺激する情報」です。

どれだけフィルターを通して世の中を見ていても、本能を刺激する情報だけはそのまま通過してしまいます。本能を刺激する情報とは、身体的な危害が及ぶかもしれないといった恐怖本能を刺激する情報です。

 

もちろん、メディアはこのことを十分理解していて、恐怖本能を刺激する情報を意図的に流しています。報道する情報を選ぶときに「恐怖本能を刺激するか否か」を判断基準にしているぐらいです。理由はもちろん視聴率が欲しいから。

 

連日連夜、感染者数を報告し、過去最多!過去水曜日では最多!先月に比べ増加!などメディアはとにかく煽って煽って煽りまくります。

 

こういった情報を受けて、私たちは恐怖本能を刺激されて、頭の中がコロナという恐怖で埋め尽くされていくのです。結果として「なんか怖い」という漠然とした恐怖心に支配されて、過度な自粛によりたくさんの飲食店が廃業に追い込まれていたり、心を病んでしまった人の自殺が急増しています。

 

話を少し戻しましょう。

 

「ワクチンを2回打ったのにコロナに感染した」というニュースがありました。

これを見た人はこう思ったに違いないでしょう「ワクチンを打てば安心だと思っていたのに!これじゃワクチンを打っても意味がないじゃないか!」と。

 

そこでこんなデータがあります。

yomidr.yomiuri.co.jp

和歌山県のワクチン接種状況の記事ですが、ここに2回接種しても感染した人がいるという内容が書かれています。しかし、その数は10万人に7人だと。

 

もう一度言います。ワクチン2回接種してコロナに罹った人は

10万人に7人です。

これでもワクチンが意味がないと思いますか?

 

このように、とくかく視聴率が欲しいメディアは恐怖本能を刺激できるとわかったら片っ端から衝撃的なニュースを流しまくります。(それがたとえ宝くじの当選確率ぐらい稀なケースでも。)

 

わたしたちにできることは、こういった恐怖に惑わされず、リスクを正しく理解することです。「恐怖」「危険」は全く違います。

恐ろしいと感じたことはリスクがあるように「見える」だけで「恐怖=危険」ではないということを理解しましょう。人は恐怖でパニックに陥ると、物事を正しく判断できなくなってしまう。 

 

実際にお子さんを失ってしまったお母さんにとって「あなたの地域の病床利用率は全国的に比べ〇%も高く、あなたがこんなことになってしまったのも住んでいた地域のせいで単に運が悪かったのだ」などといっても気休めにすらならない。

このような比較は今悲しみの渦中にある人には慰めにもならないでしょう。お子さんを失ったお母さんは気の毒ですが、それを見た私たちが恐怖おののき、これからの若者たちやこれから生まれてくる命のチャンスを奪ってしまうのはまた別の次元の話なのです。

 

僕は「コロナなんてたいしたことはない」とは言っているわけではありません。感染者数は少なければ少ない方がいいし、一人でも多くの救える命は救って欲しいと思っています。ただ、刺激的なニュースや情報に惑わされるのはやめましょうと言っているのです。

もし、感染者数が増えたらそのうち重傷者数は何名なんだろう?その重傷者の年齢は〇〇代に多いのだろう?私の住んでいる地域の病床利用率はどれぐらいだろう?こういう視点を持ってリスクを正しく冷静に理解することが大事なのです。

マスコミが数を言った時は率を見よ、率を言ったら数を見よ、なんて言葉があるぐらいです。

 

世の中を正しく見るもの訓練です。こういう過激な情報に惑わされないために知識武装をしましょう。僕はファクトフルネスという本で、いかの自分の知識が古く、思い込みや勘違いで、誤った情報を鵜呑みにしていたのかと愕然としました。

世の中の見方が180度変わる本なので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

 

FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

 

それではまた!